これまで11回にわたって、家庭やビジネスで実践できる基本的なセキュリティ対策を紹介してきました。
最終回となる今回は、これからのセキュリティの方向性と私たちが意識すべき備え について解説します。
セキュリティの未来を変える3つのトレンド
1. ゼロトラストの普及
- 従来の「社内ネットワークは安全」という考えは崩れつつある
- 「すべてのアクセスを常に検証する」ゼロトラストモデルが主流へ
2. 生体認証・パスキーの活用
- パスワードからの脱却が進み、指紋・顔認証やFIDO2準拠のパスキーが普及
- 利便性とセキュリティの両立が期待できる
3. AIによる攻撃と防御
- 攻撃者もAIを活用し、より高度なフィッシングやマルウェアを作成
- 一方、防御側もAIを活用し「異常検知」や「自動防御」が進化
これから個人が備えるべきこと
1. アップデートを怠らない習慣
- 技術が進歩するほど、新たな脆弱性も出てくる
- 常に「最新の状態」を保つことが最も簡単で効果的な防御策
2. 認証の多層化
- パスワード+MFAに加え、パスキーや物理セキュリティキーを活用
- 「1つの方法に依存しない」考え方が重要
3. 情報リテラシーを高める
- フィッシング詐欺やSNSでの情報漏えいは、人間の不注意を狙うものが多い
- 「疑わしいものは開かない」習慣を徹底する
社会全体で必要な視点
- 学校や企業でのセキュリティ教育の強化
- IoTや自動車など「モノのセキュリティ」への対応
- 個人・企業・政府が連携してサイバー攻撃に備える仕組みづくり
まとめ:セキュリティは「終わりのない学び」
セキュリティの世界に「絶対安全」はありません。
しかし、基本を徹底し、新しい技術を柔軟に取り入れること で、多くのリスクを防ぐことができます。
これまでの講座を振り返り、今日からできることを一つずつ実践していきましょう。
それが、未来の安心につながります。
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